看護師チームのマネジメントを務めるMさんにインタビュー。「HELPO(ヘルポ)」の最前線に立つのが看護師チーム。「医療現場に限界を感じていた」と語るMさんに、実際の業務内容やチームの雰囲気について話を伺いました。
はじめに、ご経歴を教えてください。
千葉大学の看護学部を卒業後、千葉県の市立病院で主に小児科と救急外来を担当しました。小児科では外来・病棟・小児のHCUを経験しており、小児救急看護認定看護師という資格を取得しています。最終的には主任看護師等の管理職として勤務しながら、看護学校の非常勤講師や市民向けの公開講座を開催も経験しました。14年間同病院で勤務した後、2020年1月ヘルスケアテクノロジーズ株式会社に入社。課長職を担っています。
医療者から大勢の人々に「予防の大切さ」を届けたい
医療現場から一般企業に転職されたのはなぜですか?
理由は主に2つあります。
1つ目は「看護師のキャリアを病院の外で活かせないか」と考えたからです。病院で働く看護師のキャリアを考えた時、管理職になるか、看護学校講師になるかの二択と言われています。私にはキャリアの幅が狭く感じられて、看護師のスキルを活かしながら、病院の外で力を発揮できるフィールドを探そうと決めました。
2つ目は「医療現場に限界を感じていた」からです。救急外来を担当していた頃、医療現場は医療従事者の善意がなければ成立しないのではないかと感じていました。当直・オンコールが多く十分な休みがとりにくく、診療以外の業務もあり、負担を感じる医師も多くいました。多少無理してでも働くことが当たり前となっていると感じていました。
また、14年間働いていて思ったのは、「病院は受け身の場所」であるということです。亡くなる患者さんを前にして、どうして重症化する前になんとかできなかったんだろう、と無力感に襲われることも多々ありました。だからこそ、病院に来ない、来られない大勢の人に向けて、医療従事者からアプローチする方法があるなら携わりたかったのです。
ヘルスケアテクノロジーズに転職を決めた理由を教えてください。
症状が重症化した患者さまだけではなく、ちょっとした不安を抱えた方にも、アプリを通していつでもどこからでも健康に関する相談に乗ることができることは魅力的でした。「病院を利用されない方も含めて、より広く大勢の方々に医療に関する啓発活動をする」ことが転職の理由でしたので、オンラインで圧倒的に多くの方に関わる機会を作り出すことができる点が入社の決め手になりました。また、スタートアップで0から事業を作っていくのも面白そうだなと思い、ヘルスケアテクノロジーズへの転職を決意しました。
看護師としての知識と経験が活きる
実際にヘルスケアテクノロジーズに入社していかがでしたか?
想像以上に「看護師としての経験や知識」が活きていると感じています。医療現場で14年間培ってきた知識と経験を多数の利用者様に還元できますし、スタッフに対しても自分の知識を共有できているように思います。
また、病院勤務の際は休憩を取れないことも日常茶飯事でしたが、当社ではあらかじめ予定してスケジュール通りに業務をしやすいこともあり、働きやすさは改善されました。ベンチャー気質でありながらも、仕事とプライベートのバランスをきちんと取ることができるのは、いい意味でギャップに感じています。
一般企業への転職で、課題に感じたことや苦労したことはありましたか?
最初に苦労したのは「言葉の違い」ですね。営業やマーケティングの専門用語が全く分からなかったため、慣れるまでは大変でした。周囲の人に意味を尋ねたり、自分で調べたり、前後の文脈で理解するよう意識しているうちに、1ヶ月程で慣れました。
また、病院では医療従事者同士でしか会話の機会がありませんが、当社では営業やマーケティング、エンジニア職の方とも一緒に仕事をしますので、多くの刺激があります。それぞれの専門職種ごとに価値観・信念・こだわりが違うため、お互いの譲れない点を理解しながらも、ポジティブに仕事を進めていくことが求められます。最初は苦労する点だと思うので、入社して間もないメンバーには特に意識してフォローするようにしています。
立場も役職も職種も関係ない、フラットな組織
看護師チームの業務内容を教えてください。
看護師チームのメイン業務はヘルスケアアプリ「HELPO」のチャット対応です。
利用者様から相談が入ったらすぐに対応するのが業務内容です。1日の7~8割をこの業務に割いていただきます。
また、並行して社内プロジェクトへの参加が多くあります。
特定保健指導を進めるプロジェクトには多くの看護師が参加していますし、その他、オンライン健康医療相談チャットに関するプロジェクトも多数存在します。共通の辞書を作成するプロジェクト、チャットの基本形を整えるプロジェクト、「利用者様から高評価を得た対応」の共通点を見出すプロジェクトなど、難易度もそれぞれです。基本的には役職関係なく何らかのプロジェクトに携わっていただくことになります。
健康医療相談チャットの対応とプロジェクト参加の合間に、指導方針やマニュアル作成、カリキュラム作成が発生することもあります。
チームとしての目標はありますか?
チャット対応の目標は平均満足度5段階で4.6以上、そして利用者様をお待たせする時間を平均1分以下に収めることです。
チャット対応完了後には利用者様から5段階で満足度評価を付けていただくことになっています。毎日多くのご相談をいただく中で、現在は有難いことに「平均満足度4.6」の評価を頂いていますが、相談件数が増えたとしてもこの満足度を維持向上させたいと考えています。
また、問い合わせの山ができるのは「朝9:00~10:00」と「夜21:00~22:00」ですが、一気に相談が来たとしても1分以上お待たせすることがないよう、なるべくすぐに対応するようにチームで心掛けています。
チームや職場の雰囲気を教えてください。
役職や立場関係なくフラットな雰囲気です。病院ではヒエラルキーを感じることが多かったように思います。ヘルスケアテクノロジーズでは医師・看護師・薬剤師に上下関係はなく、同列の位置づけです。看護師がリーダーを務めるプロジェクトに、一メンバーとして医師が参加していることもあります。皆フラットに一丸となって議論を進める風土です。
オンラインヘルスケア業界で無くてはならない存在へ
ヘルスケアテクノロジーズでの仕事のやりがいは何ですか?
「0→1」で新しいものを生み出せるスタートアップならではの環境ですね。新しい施策が完成するとやっぱり嬉しいですし、実験的に試してみたことから成果が出ると楽しいです。実際この1年半で月間相談件数が10倍程にまで増えました。ベンチャー企業ゆえの成長痛もありますが、健康医療相談サービスが世間に認められるようになってきたと思うと、頑張ってよかったと心から思います。
勿論スタートアップがゆえにスピード感を求められることが多く、全てが手探りで思うように進まないこともあります。楽しいとも大変だとも言えますが、だからこそやりがいに繋がっているのだと思います。
最後に、未来の仲間に一言お願いします!
私たちは健康医療相談チャットを入口として、オンライン診療やオンライン母子手帳など、利用者様に提供できるサービスの幅をどんどん拡大したいと思っています。やがて私たちのアプリがヘルスケア領域で「無くてはならないもの」になるよう、大勢の人々にとって「当たり前の存在」になるようにしたいと考えています。
ヘルスケアテクノロジーズではビジネス経験も病院勤続年数も関係ありません。病院と一般企業の違いを理解して「お客さまファースト」を心掛け、素直に柔軟に目の前の業務に取り組める方であれば、若くても病院経験が浅くても活躍できる会社です。
ぜひ一緒に「医療現場の常識」を変えていきませんか?